御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
「大丈夫ですよ?だって私自身、噂に気付いてなかったんだし。係長が気にすることなんてないですよ」

力一杯なぐさめるけど、係長には届かないみたいだ。

「でも、今日も香奈美さんはイヤな思いをした。面と向かってヒドイこと言われて傷付いたはずだ。なのにその原因の俺は何も知らずに守る事も出来なかった!」



そうか、係長は自分を責めてるんだ。私を大切に思ってくれてるからこそ、自分を責めてるんだ。



苦い表情を浮かべる係長に微笑んだ。どうしよう、凄く嬉しい。私を全力で守ろうとしてくれるのが嬉しくて顔がにやけるのを止められない。

「係長は私を大切にしようと、守ろうとしてくれるんですね。凄く嬉しいです。ありがとうございます」

私の心からの微笑みに、係長が分かりやすく困惑した。

「なんで喜んでいるのか分からないんだけど」
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