御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
「もしかして昇進のこと?」
顔の位置はそのままで将生はコクンと首を縦に振る。
「上手くいったのが確定した頃に、親父に言われてたんだ。そろそろ管理職になって、ゆくゆくは会社経営に関わって欲しいって。
将来的に経営に関わるっていうのは前々から覚悟してたし、俺も希望してたのは香奈美にも言ってただろ?」
顔を上げて、しっかりと私の目を見つめる瞳はさっきとはまるで違う。強くて、先を見てるキラキラした瞳。
でも、その瞳に少し不安が揺らめく。
「でさ、経営に関わるなら昇進と同時に事業本部に移動しろって言われたんだ。もっと大きな視点で動けるようになれって。香奈美に言わなきゃった思ってたのに‥‥言わなくてごめんな」
「‥‥橋が変わって私が不安になると思った?」
「いや、もっと最悪な事予想してた。香奈美の良さに気付いた誰かに取られるんじゃないかって。香奈美、しっかりしてるようで押しに弱いしさ。近くにいないからいつも守れないし」
将生は仕事の時は自信満々で挑んでいるのに、なぜか私の事には心配性だ。将生いわく、「本気で惚れた弱み」らしくて、それは未だに変わらない。
顔の位置はそのままで将生はコクンと首を縦に振る。
「上手くいったのが確定した頃に、親父に言われてたんだ。そろそろ管理職になって、ゆくゆくは会社経営に関わって欲しいって。
将来的に経営に関わるっていうのは前々から覚悟してたし、俺も希望してたのは香奈美にも言ってただろ?」
顔を上げて、しっかりと私の目を見つめる瞳はさっきとはまるで違う。強くて、先を見てるキラキラした瞳。
でも、その瞳に少し不安が揺らめく。
「でさ、経営に関わるなら昇進と同時に事業本部に移動しろって言われたんだ。もっと大きな視点で動けるようになれって。香奈美に言わなきゃった思ってたのに‥‥言わなくてごめんな」
「‥‥橋が変わって私が不安になると思った?」
「いや、もっと最悪な事予想してた。香奈美の良さに気付いた誰かに取られるんじゃないかって。香奈美、しっかりしてるようで押しに弱いしさ。近くにいないからいつも守れないし」
将生は仕事の時は自信満々で挑んでいるのに、なぜか私の事には心配性だ。将生いわく、「本気で惚れた弱み」らしくて、それは未だに変わらない。