御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
午後、イマイチ集中しきれないまま仕事をこなした。聞く私がこんな調子なのに、打ち明ける係長はいつもと変わりなく、軽快に余裕で外回りもこなしてて、なんだかちょっとムカついた。
‥‥おかしな八つ当たりだけど。



そして定時。私達は会社から2つ先の駅で待ち合わせをして、別々に会社を出た。

いつも夕飯を一緒にする時は一緒に出ていたのに、今日は別々。それも今夜が特別なことを示してるみたいで、胸がざわめく。


係長の心の中をみせてもらって、私はどう思うんだろう。


きっとそれがこれからの私達2人のキョリや向き合い方を決める。


その予感が私の緊張感を更に強くする。



話を聞いてくれた知恵ちゃんの激励を受けて、私は待ち合わせ場所に急いだ。



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