L'eau, je suis important...
窓ガラスからなら、顔を見れるらしい。
舞羽ちゃんも悠太に会ったら少しは元気になるかなって思って受付で聞いてみたんだ。
「そうだよ。悠太がここにいる。」
ある場所で足を止めると、いろんな機械がついて、安らかに瞳を閉じている悠太の姿があった。
悠太が生きている。
その嬉しすぎる事実に僕はほっと胸をおろした。
「…っ………っすっ……くっ……」
口角があがったのも一瞬で、隣から聞こえてきた声に、不安になる。
「舞羽ちゃん大丈夫?」
必死に声を押し殺そうとする舞羽ちゃんの背中を優しくさすった。
「ほんとにっ……眠ってるんだねっ……っ…」
僕にとって、悠太に会えたことで、“生きてる”って実感が湧いてよかったけど、舞羽ちゃんは“怪我をした”っていう実感が湧いたのか…。
ここにつれてくるのは間違えだったかな…。
舞羽ちゃんはもともと、悠太に会うつもりじゃなかったんだしな…。
「ごめんね。舞羽ちゃん。舞羽ちゃん喜ぶかなって思って…。配慮が足りなかった…。」
しゃくりをあげて泣いていた舞羽ちゃんが少し落ち着きを取り戻し、首を左右に振った。
「悠太くんの近くにいたいって言ったのは私だもん。…だから……佐藤くんは悪くないよ…」
舞羽ちゃんが落ち着いたのを見て、背中をさすっていた手を止めた。
「じゃあ…そろそろ行こっか…」
ジッと目に心に焼き付けるように悠太を見ていた舞羽ちゃんに声をかけた。
ぎこちなく頷くと、悠太からゆっくりと視線を外し、歩き出した。
なぁ、悠太。
早く目覚してくれよ。
僕も舞羽ちゃんもみんなお前のこと待ってるからさ…。
心の中でそう呟いて、舞羽ちゃんの後を追った。
エレベーターに乗り、下の階へ移動した。