L'eau, je suis important...
佐藤くんが病室を出ていって、お互い喋らなかったから沈黙が私たちを包んだ。
張り詰めた空気をどうにかしようと思ったけど、なす術なく、うつむいた。
そんな沈黙を破ったのは大﨑くんだった。
「ねぇ舞羽ちゃん。」
名前を呼ばれ、ゆっくりと視線を上げると、青く光る耳元が視界に入った。
「なぁに?」
首を傾けると、大﨑くんは優しい瞳で私を見つめていた。
その瞳は私を見ているようで、遠い誰かをおもっていた。
「俺さ、悠太の…。髙野悠太の弟なんだ。」
かなり衝撃的な事実。
なんだけど、私はさほど驚かなかった。
逆にやっぱりなという納得の気持ちが強かった。
悠太くんの一点物のピアスと同じピアスをつけていた大﨑くん。
悠太くんが片方しかつけていなかったから、悠太くんと大﨑くんのを合わせて1つなんだろう。
1つのピアスを分けてつけるなんて相当な間柄のはず。
だけど、悠太くんと大﨑くんは特別仲がいい友達とかでもないみたいだし。
悠太くんはいつも佐藤くんと一緒にいるからね。