副社長とふたり暮らし=愛育される日々
なぜなら、今日の私はりらではなく、飾り気のない春原瑞香の姿だから。
少し伸びた癖毛っぽいセミロングの黒髪に、ほぼすっぴんの顔、服装は部屋着みたいなトレーナーとジーンズ。
ふくろうの職場に行く時と同じ格好をした私に、皆はぽかんとしていて、唯一柴田さんが近づいてくる。
「あれっ……りら、ちゃん?」
どうしてそんな姿なの!?と言いたげな顔でまじまじと見てくる彼にかまわず、私は皆に向かってもう一度挨拶をする。
「改めまして、りらこと、春原瑞香と申します」
本名を名乗り、お辞儀をすると、少しだけ肩の力を抜いて正直なことを話し始めた。
「私、普段はこんな感じの女です。メイクもたいしてしないし、服も気を遣いません。りらだってことを隠すためじゃなく、昔からずっと地味で。もちろん、オーディションをした時もこれで挑みました」
最後は少し強調して言い、ちらりと唐木さんのほうを見やる。ギクリとしたであろう彼女は、決まりが悪そうに目を逸らした。
誤解は解いておかないとね。モデルになるために、色目なんて使っていないって。
再び皆に目線を戻し、さらに続ける。
「素の自分に自信がなくて、皆さんの前ではりらの格好をしてました。でも……本当の自分で体当たりしていこうって、思い直したんです」
少し伸びた癖毛っぽいセミロングの黒髪に、ほぼすっぴんの顔、服装は部屋着みたいなトレーナーとジーンズ。
ふくろうの職場に行く時と同じ格好をした私に、皆はぽかんとしていて、唯一柴田さんが近づいてくる。
「あれっ……りら、ちゃん?」
どうしてそんな姿なの!?と言いたげな顔でまじまじと見てくる彼にかまわず、私は皆に向かってもう一度挨拶をする。
「改めまして、りらこと、春原瑞香と申します」
本名を名乗り、お辞儀をすると、少しだけ肩の力を抜いて正直なことを話し始めた。
「私、普段はこんな感じの女です。メイクもたいしてしないし、服も気を遣いません。りらだってことを隠すためじゃなく、昔からずっと地味で。もちろん、オーディションをした時もこれで挑みました」
最後は少し強調して言い、ちらりと唐木さんのほうを見やる。ギクリとしたであろう彼女は、決まりが悪そうに目を逸らした。
誤解は解いておかないとね。モデルになるために、色目なんて使っていないって。
再び皆に目線を戻し、さらに続ける。
「素の自分に自信がなくて、皆さんの前ではりらの格好をしてました。でも……本当の自分で体当たりしていこうって、思い直したんです」