副社長とふたり暮らし=愛育される日々
朔也さんの、『本気でぶつかるやつには、相手も本気で返してくれる』というひと言が、私の意識を変えてくれた。
自分を隠したままでは、本気でぶつかることはできないんじゃないかと思ったのだ。
メンバーの皆は“なんのことやら”という感じだろう、よくわからないと顔に書いてある。そんな彼らに、私は一番大事な部分を伝える。
「とにかく、何が言いたいのかっていうと……私、やっぱり沈丁花にこだわりたいんです!」
思い切って放ったひと言に、各々が目を丸くしたり、困ったような顔をした。三嶋さんは無表情だけれど、唐木さんは心底呆れているように見える。
それでも、今日はめげないんだから。
私は用意してきたあるものを、バッグから取り出す。
「これ、見てください」
近くに立っていた三嶋さんに、白いフタがついた透明な丸い小瓶を差し出した。不思議そうにそれを受け取った彼女は、書いてあるラベルを見つめる。
「これは……他社の香水?」
「はい。沈丁花の香水です」
わずかに開かれたクールな印象の瞳が、私に向けられた。
「嗅いでみてください。生花に近づけてはいるんですけど、どうしても人工っぽい香りがしませんか?」
そう言うと、柴田さんやほかのメンバーも三嶋さんが持つ香水を興味深げに観察し始め、テーブルに用意してあったムエットという匂い紙にシュッとひと吹きする。
自分を隠したままでは、本気でぶつかることはできないんじゃないかと思ったのだ。
メンバーの皆は“なんのことやら”という感じだろう、よくわからないと顔に書いてある。そんな彼らに、私は一番大事な部分を伝える。
「とにかく、何が言いたいのかっていうと……私、やっぱり沈丁花にこだわりたいんです!」
思い切って放ったひと言に、各々が目を丸くしたり、困ったような顔をした。三嶋さんは無表情だけれど、唐木さんは心底呆れているように見える。
それでも、今日はめげないんだから。
私は用意してきたあるものを、バッグから取り出す。
「これ、見てください」
近くに立っていた三嶋さんに、白いフタがついた透明な丸い小瓶を差し出した。不思議そうにそれを受け取った彼女は、書いてあるラベルを見つめる。
「これは……他社の香水?」
「はい。沈丁花の香水です」
わずかに開かれたクールな印象の瞳が、私に向けられた。
「嗅いでみてください。生花に近づけてはいるんですけど、どうしても人工っぽい香りがしませんか?」
そう言うと、柴田さんやほかのメンバーも三嶋さんが持つ香水を興味深げに観察し始め、テーブルに用意してあったムエットという匂い紙にシュッとひと吹きする。