副社長とふたり暮らし=愛育される日々

そうして、また一から考え直し、どうやって問題をクリアしていくかを話し合った。

今日の会議が終わったのは午後六時。香料の種類と配合比を考えるのに時間がかかって、前回よりも長時間の会議になった。

それでも、とても有意義だったし、次回は調合したものをいくつか用意してもらうから楽しみだ。

皆が次々とミーティングルームを出ていく中、私は席を立つ三嶋さんに駆け寄る。


「三嶋さん、ありがとうございました」


軽く頭を下げた私を、彼女はキョトンとして見つめる。


「何が?」

「私の意見を受け入れてくれたじゃないですか。三嶋さんの一声で、やる方向に傾いたと思うから」


前回は否定的だった彼女が、最初に賛同してくれたのは意外で驚いたけれど、とても嬉しかった。

今日の会議が始まる直前のことを思い出したらしく、三嶋さんは「あぁ」と頷く。


「あなたがあそこまで食い下がるとはね。あのまま諦めてたら、その程度かって思ってただろうけど」


わずかに意地悪そうな笑みを浮かべて言う彼女を見て、はっとする。


「まさか、私の本気度合いを試してた、とか……?」

「ちょっとね」


クスッと笑う彼女に、私は若干顔を引きつらせた。

ただ沈丁花が難しいからというだけでなく、意地悪な意図も含まれていたのか……恐ろしい。

< 173 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop