副社長とふたり暮らし=愛育される日々
そうして、また一から考え直し、どうやって問題をクリアしていくかを話し合った。
今日の会議が終わったのは午後六時。香料の種類と配合比を考えるのに時間がかかって、前回よりも長時間の会議になった。
それでも、とても有意義だったし、次回は調合したものをいくつか用意してもらうから楽しみだ。
皆が次々とミーティングルームを出ていく中、私は席を立つ三嶋さんに駆け寄る。
「三嶋さん、ありがとうございました」
軽く頭を下げた私を、彼女はキョトンとして見つめる。
「何が?」
「私の意見を受け入れてくれたじゃないですか。三嶋さんの一声で、やる方向に傾いたと思うから」
前回は否定的だった彼女が、最初に賛同してくれたのは意外で驚いたけれど、とても嬉しかった。
今日の会議が始まる直前のことを思い出したらしく、三嶋さんは「あぁ」と頷く。
「あなたがあそこまで食い下がるとはね。あのまま諦めてたら、その程度かって思ってただろうけど」
わずかに意地悪そうな笑みを浮かべて言う彼女を見て、はっとする。
「まさか、私の本気度合いを試してた、とか……?」
「ちょっとね」
クスッと笑う彼女に、私は若干顔を引きつらせた。
ただ沈丁花が難しいからというだけでなく、意地悪な意図も含まれていたのか……恐ろしい。