副社長とふたり暮らし=愛育される日々
自分の実力はやっぱりこんなものだったのか、とヘコむと同時に、結構いい副業だったのにな……と諦めモードでため息をついていた、その時。

何やら周りがざわめき出し、誰かがコツコツと靴音を鳴らしてこちらに近づいてきたかと思うと、「おい」と頭上から聞き慣れない低い声が降ってきた。

ばっと見上げると、ふわりとしたダークブラウンのショートヘアの、整った顔立ちの男性が私を見下ろしていて、目を見開く。

きりっとしていて、けれど甘さを含んだ魅力的なお顔に、醸し出すデキる男のオーラ……。

こ、このお方は、ユーフォリックモードの副社長──!!


一度見たら忘れられない、圧倒的な存在感を放つ彼の名は、御影 朔也(みかげ さくや)。

直接関わりがない私でも知っている。三十代前半にして副社長に就任し、大胆かつ素早い決断力と、優れたリーダーシップを兼ね備えた人物だという話を、よく聞くから。

雲の上のような存在である彼は、撮影の場にやってくることはほとんどない。それなのに……一体なぜ、彼は私に話しかけているの!?

呆然としたままの私に、細身のスーツをビシッと着こなした御影副社長が手を伸ばしてくる。腕を掴んで立たされると、百八十センチはあるだろう長身の彼は、私を見下ろしたまま言う。


「個人的に話がある。こっちに来い」

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