joy to the world !
「俺より仕事のが大事だろって言われちゃうパターンっすよね、亜子さんって。あとー、ひとりでも生きていけそうみたいな。言われたことあるっしょ」
「大きなお世話」
目が眩まんばかりの夜景を前にしたって、ロマンチックで可愛げのある台詞ひとつ嘘でも言えない。
クリスマスイヴ、そんな夜景を並んで見ているのが恋人じゃなくてバイトの新人だって別に寂しいとも思わない。
私は仕事が大好きだ。
各階に散らばった、私の手で綺麗に装飾された花たち。
営業中に何度も作ったたくさんの花束。
今夜みたいな特別な日に特別な人と過ごす人たちにとって、少しでも素敵な添えものとなってくれたら。
それだけで私は幸せなのに。
それがそんなに悪いこと?
普段は思わないのにふと弱気になるのは、やっぱり今日がイヴだから?
美しい夜景が何かで滲む。
気付かれたくなくて上村くんから見えないよう、視線を遠くに向けた。