joy to the world !

「なんで笑ってるんすか」
「え?あはは、ごめん。夜景を見て綺麗って言うガラじゃないんだけど私」

 上を見ても下を見てもキラキラしていて、万華鏡みたい。
 全く綺麗じゃないとは言わないけど。

「綺麗っつか…ソーゼツって感じっすよね」
「壮絶?……壮観じゃなくて?」
「あ、それそれ。なんか見てると息できなくなる感じしません?」
「……感覚的に生きてるね」
「それが俺のいいところなんで」

 トンと軽い音がした。
 縦に巻いたシートを、上村くんが軽くフロアに付けた音だ。

「汚さないでね」
「わかってますって。ちょっとだけ」

 天井も壁も窓もフロアも、鏡みたいに磨き上げられた特別な空間を汚すことは許されない。
 仕事で出入りさせてもらってる立場なんだから、なおさらだ。

「今日のコレって完全なイレギュラーっすよね?」
「そうだね」

 連絡が入ったのは今日の昼過ぎだった。
 ホテル側としても自覚はあったようで低姿勢での依頼ではあったけれど、それでも無理矢理に近いねじこみでここに来たのは本当だ。



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