その灯火が消えるまで



「お前はいいの!か、え、れ!」

「やだね。た、ま、た、ま毎日帰る時間と方向が同じなんです」


「いいじゃん灯理。貴也という新しい友達ができてさぁ」


「友達じゃねえよこんなの!俺はゆうちゃんと二人で帰りたいんですー」



そう。

結灯のシスコンな弟、灯理。


奴はいつも学校から少し行ったところで
結灯を待っている。


最近、結灯と一緒の俺は、
かなり嫌われている。


ここ1ヶ月ほぼ平日は毎日会ってる。


「………二人っきりがいいとか噂通りシスコンだなお前………」


「シスコンでもなんでもいいし。

俺はこの世の誰よりもゆうちゃんが好きなの。分かったかバカ?」


灯理は、無駄にイケメンな顔で、
俺をバカにしたように見る。

弟に大好き発言をされた当の本人、
結灯は嬉しそうな顔で笑っている。


灯理はそれを見てさらに、俺を見てバカにしたように鼻で笑う。


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