王様男と冷血男の間で
結婚なんてやめてやる!
真蔵と円が結婚するには
円の両親の説得がまだ残されている。

一度結婚を白紙に戻したため、
円の両親は簡単には許さないだろうと真蔵は覚悟していた。

「とにかく謝るよ。

俺のせいで円が諦めようとしたって正直に言おう。」

円は何となく腑に落ちない。

「それじゃアタシが真蔵のことが好きで堪らなかったみたいじゃない?」

最近の円はとにかく機嫌が悪かった。

「現にそうだろ?

お前は俺のことが好きだったけど…
柚月が現れて勘違いして別れようとしたろ?」

「はぁ?

真蔵が一度心変わりしたのにアタシの事が好きで
諦めきれなかったんじゃないの?」

「はっ?心変わりって何だよ?

聞こえが悪いだろ?

俺が浮気したみたいじゃないか?」

真蔵もそんな円の態度が気に入らない。

「浮気みたいなもんじゃん!

私より柚月さんを選ぼうとしたクセに…」

「ばっ、バッカじゃねーの?

それは柚月と俺たち家族には詳しいことは言えないが
どうしようもない事情があるんだ。

浮気とか…そういうゲスなもんとは違う!」

しかしそれは真蔵が頑なに柚月との過去を話さなかったからだった。

円はずっと不満だった。

真蔵がどうしてあの時、もうダメだって言ったのか…

柚月が死のうとしたことは知ってるが
真蔵も真蔵の家族も柚月も明らかに何かを隠してる。

「とにかく、俺が悪かったって謝ればいいだろ?」

真蔵は円の機嫌を直そうと
円にキスしようとした。

「ちょっ、やめてよ!

そういうことで誤魔化さないで。」

「誤魔化すつもりじゃねーよ。

お前が機嫌悪いから直そうと…」

「そんなもんで騙されるとでも?」

「あー、もうやめだ、やめ!

そんな態度ならキスしてやらねーからな!」

「望むところよ!」

せっかく結婚に向けて意思が固まったと思ったのに
円と真蔵はケンカばかりだった。

円は今になって色々真蔵に聞きたい事があるのに
真蔵は何1つ答えてくれない。

(隠し事ばっかりで今からこんなんじゃ夫婦としてやっていけると思えない!)

と円は思っていたが

柚月の事件については事件が事件なだけに
決して口外してはいけないと真蔵が思うのは当たり前の事で
それが原因で2人はなかなか上手くいかない。

「もう結婚とか止めよう!

このままでいいよ。」

円はついにおへそを曲げてしまい
真蔵はそれに怒って2人は仲違いしてしまった。

「麻耶、遊びに行こう!」

円はまたクラブ通いを始めた。

そしてそこにはあの義政がいた。


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