王様男と冷血男の間で
仲直り大作戦
円は麻耶のアパートに行った。

麻耶は沢山泣いたみたいで顔が腫れていた。

「うわっ!ひどい顔だねぇ。

それで宗くんとは?」

「宗とはその場のノリみたいなもんだから。

それより私…洸太と別れたくないよー。」

「だったら何で浮気なんか。

現場見られたってまさか…ここで?」

「うん。」

「えー⁈
何でそんなことしたのー?」

麻耶はすっかり元気を無くしていた。

円は今の麻耶に結婚が決まって
婚前旅行に行くことなんて話せなくなった。

「どうしよう…円ぁ、どうしたらいい?」

とりあえず円は麻耶と洸太のいる病院へ行った。

「円、1人で行って来て。
ここで待ってるから。」

「えぇ?私一人で?」

円は仕方なく洸太を呼び出してもらった。

洸太はちょうど休憩に入るところで
円は洸太と食堂に行った。

「麻耶とはもう別れるつもり?」

「当たり前だろ?オレのベッドに知らない男と寝てたんだ。
円ちゃんの彼氏が同じ事したら許せる?」

「…確かにそうだよね…
でも…麻耶が本当に好きなのは洸太くんだよ。

洸太くん忙しいからずっと放っとかれて麻耶も寂しかったんだと思う。」

「だけど…だからって浮気は無いだろ?」

洸太も迷ってるみたいだった。

麻耶にゾッコンだったから。

洸太が一目惚れして何度も口説いてやっと付き合えたのに…

「麻耶はどうしてる?」

「泣いてた。
泣きすぎてすっごくブサイクになってるから会えないって…でも近くに来てるよ。

呼ぼうか?」

「いや、会いたくない。」

洸太が麻耶を本気で好きだったからこそ
簡単に許すとは思えなかった。

「洸太くん…週末麻耶も一緒に旅行しない?」

「は?休めるわけ無いだろ?」

「麻耶と本当に別れるの?」

「当たり前だろ?」

「じゃあ別れる前に2日だけ休みとって
最後に一緒に旅行してあげてよ。

麻耶が浮気したのは洸太くんにも責任あるんだから。

別れるにしてもちゃんと話して麻耶を納得させなきゃ。」

円は強引に話を進めた。

実際、真蔵と二人っていうのも怖かったし…
麻耶と洸太も一緒に過ごせば仲直りさせる事もできるかもしれない。

「ちょっと…円ちゃん、本当に休めないってば!」

「法事とか友達の結婚式とか何とか言い訳してよね!

行き先は別府だから。

飛行機のチケットとか泊まるとこはこっちで手配しとくから心配しないで。」

円は麻耶のところへ戻ると麻耶に言った。

「来週末、洸太くんと麻耶とアタシと真蔵で旅行に行くことにした。」

「へ?」

「だから麻耶もそのつもりでね。

飛行機のチケットと泊まるとこは手配しとくから。」

「どうしてそうなったの?」

「な、成り行きで。

とにかく旅行中に洸太くんと仲直りしてよね。」

「え?…うん。
…どうしてそうなったかわかんないけど…
ありがとう。」

そして次の週末がやって来た。


< 45 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop