王様男と冷血男の間で
二つの寝室
真蔵と円は御墓参りを無事に終えて
円は麻耶に連絡をした。

「もしもし、御墓参り終わったよ。

そっちは?洸太くんと仲直りできそう?」

「まぁね。こっちは地獄めぐりしてる。」

「地獄めぐり?」

「うん、それが終わったら合流するね。」

円は麻耶の声が元気そうだったので安心した。

「なんかいい感じみたい。

地獄めぐりしてるって。

私たちはどうする?」

「なんか腹減ったよな?」

「うん。」

二人で食事をして
これからのプランを練った。

「とりあえず温泉に入るってのは?」

ここの貸切風呂とか?」

「え?」

「だって別々に入っても楽しくないだろ?」

「な、何言ってんの?

真蔵と一緒に入るってこと?」

「ハードル高過ぎか?」

「当たり前でしょ?」

「ところで…夜はどうするつもりだ?」

「夜って?」

「別府にある別荘はそんなに部屋がないんだ。

寝るところは二部屋しか無いぞ。

言っとくが…俺は知らない男と同室なのは無理だから。」

「え?じゃあどうするの?」

「部屋はお前が俺と一緒ってことだ。

ラブラブしてるのを見せつける絶好の機会だしな。」

「はぁ?ムリムリムリ!」

「お前が勝手にあの2人を連れてきたんだ。
最後まで責任とれよ。」

(そんなぁ…二人きりになるのを避けたつもりだったのに…更にピンチになってるじゃん!)

そしてあたりが暗くなる頃、麻耶と洸太と合流して
東原家の別荘に向かった。

「うわぁ、素敵ですねぇ。」

「温泉がある〜!」

別荘は一階が大きなリビングで
露天風呂付きの温泉がある。

二階には、部屋が2つあってそれぞれの部屋にベッドが二つあり浴室とトイレも付いてる。

「円!どっちの部屋にする?」

麻耶はすっかり円と同じ部屋のつもりでいる。

「じゃあ麻耶さんは洸太くんとこっちの部屋へ。

円はこっちだ。」

麻耶も洸太もキョトンとしていたが
考えたら二人は結婚するのだ。

「あ…そうか。

すいません、気がつかなくて。」

洸太も仕方がないと思いながら麻耶と隣の部屋へ荷物を置きに行った。

そして食事をして軽く飲みながらこれからのプランを四人で話した。

「温泉は交代で入ろう。

女性陣が11時までに入って…男はその後で…どうだ?」

「うん。」

と円は頷いたが麻耶は首を横に振る。

「円と二人で入らないんですか?」

「ちょっと!麻耶、何てこと言うの?」

「そのための旅行でしょ?」

「は?違うってば!お祖母様の御墓参りに来たの!

じゃなきゃ麻耶たち誘わないでしょ?」

円は顔を真っ赤にして猛反対したが
真蔵は笑って言った。

「じゃあ、それで。

麻耶さんと洸太くんが11時までどうぞ。

俺たちはその後で入ります。」

「えー!無理だってば!」

しかし円がいくら叫んでも
その決定が覆る事は無く麻耶は洸太と温泉に行ってしまった。




< 47 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop