王様男と冷血男の間で
新たな事件勃発!
円は飛び起きて辺りを見回す。

気がつくととなりに義政が眠ってる。

そして義政が眠そうな顔で目をこすりながら起きた。

「ど、どうなってるの?」

「覚えてないの?」

「うん。」

「あ、おばさんには麻耶ちゃんが連絡しといてくれたよ。
酔っちゃったからウチに泊めるって言っておくって。」

「義政くんとアタシ…何かあった?

無いよね?」

「キスはしたかも。」

「うそっ?」

「なーんて嘘。何にも無い。」

「てかなんで麻耶はアタシを置いてったの?」

「それが…宗が来ちゃってさ。」

「どうして?宗くんに逢わないようにあのクラブにしたのに…

それで麻耶は宗くんと?」

義政は自分のことより麻耶を心配してる円を見て
また好きになりそうだった。

「いや、宗が来たから円を頼むって逃げてった。」

それを聞いてまどかはホッと胸を撫で下ろすが
同時に自分の事が心配になってきた。

「私…何かした?」

「いや、実は…」

円は昨日の夜、義政と飲んで踊っていたが
具合が悪くなりフラフラしていた。

義政が円を支えてタクシーに乗せようとしたら
思い切り何度も吐いて
とてもタクシーに乗せられず
近くだった義政の部屋に泊めることにした。

麻耶に連絡して円の家に電話してもらったようだ。

「そうだったの。ごめんね。迷惑かけて。」

とりあえず歯ブラシを貰って
歯を磨き、
汚した服を洗って乾かした。

まだ頭が痛くて気持ちが悪かった。

「服乾いたら送ってくよ。」

「あ、いいよ。一人で帰れる。」

その時、麻耶から義政に連絡があった。

「円に代わって!いくらかけても繋がらなくて。」

円の携帯のバッテリーが切れていて
麻耶は義政の携帯に電話をかけてきたのだ。

「円?た、大変!真蔵さんがウチに迎えに来てる!」

「え?」

「今、コンビニ行ってるって誤魔化してるから急いでこっち来て!」

「わ、わかった!」

円は義政に服を借りて麻耶の家にタクシーを飛ばした。

近くのコンビニで降りて
適当に買い物をして麻耶の部屋に行った。

真蔵はアパートの下に車を停めて待っていた。

「コンビニまで何分かかるんだ?」

「あ…あれ?来てたの?
酔い覚ましに散歩して来たの。」

「へぇ。男物だな。洸太くんの?」

円の服を見て真蔵が突っ込んで聞いてくる。」

「う、うん。麻耶の洗濯してなくて…」

「洸太くんは?」

「宿直だって。」

真蔵の視線が痛かった。

結婚前に何もなかったとはいえ
他の男の部屋に泊まったことがバレたら大変な事になる。

「ちょっと麻耶に挨拶してくるね。」

「わかった。」

真蔵は明らかに疑っていた。

円は麻耶に会いに行った。

「ど、どうしよう。」

「これ、義政の服?」

「うん。洸太くんの借りてる事にしてる。」

「わかった。とにかくバレないようにね。」

「うん。」

「義政とキスしてた事バレたら大変。
まさかあの後勢いで寝たりしてないよね?

帰る頃、泥酔してたもんね。

義政はそんな男じゃないし…」

円は一瞬固まった。

「ま、待って…私、義政くんとキスしたの?」

「覚えてないの?
あの時はそんなに酔ってないと思ったけど…

円、自分から義政にキスしてた。」

円の頭が真っ白になっていく。

「え〜〜!!!!」
< 52 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop