純情シンデレラ
いつものように、営業部の出入口付近に立った私をすぐ見つけてくれた松本さんは、大柄な体に似合わず、素早い身のこなしで私の方に歩いて来てくれた。

「俺に用か」
「ええ」

腕を組み、挑戦的な表情で松本さんを見上げる私から、果たしてこの人は“威厳”のような雰囲気を感じ取ってくれているのか分からないけど・・・これがおチビな私なりの精一杯な“威嚇”というか・・・。
私が怒ってるってことを、少しくらい感じ取ってほしい!

だけど松本さんは、普段のいかめしい表情をニヤッとさせて、つぶらな目をキラッと光らせただけだった。

・・・いいわ。
ちょっとは伝わったと解釈して、このまま会話を続けよう。

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