純情シンデレラ
「あゆ子お嬢様はねぇ、とても芯の強いお子様でしたよ。えぇ、それはもう・・。少々とっつきにくい面もありましたけどね、それは相手を護るためであり、それ以上にご自分を護るためでもあったのよ。わたしはその辺りの事情をはじめから分かっていたから。仲の良いお友だちを作ろうとしなかったのもそのためでね。いつの日だったか、お外で遊んだり、元気に走り回ったりしている子を羨ましそうに見ながら、 “あたしはいつ死ぬか分からないけど、寿命は短いはずだから。仲良くなった途端お別れするのは寂しいでしょ”って・・。本当はね、お嬢様だって仲の良いお友だちが欲しかったんですよ。でもね、お嬢様が病気だと分かった途端、離れていく同級生や、お嬢様のことを“可哀想に”という目でしか見ない大人をたくさん見てきましたからね。わたしは、お嬢様が病気だということより、そんな扱いを受けて悲しいはずなのに、その悲しみを表に出さないようにしていることが、可哀想だと思ったわ」