純情シンデレラ
おチビな私より、大柄な松本さんの方が足も長いから、当然歩幅も私より広い。
それに、北国育ちの松本さんは、雪が積もっていても、普段どおりスイスイと(私が見た感じ)歩いている。
さすがにブーツを履いているけど。ってそれは私もだけど。

とにかく、私が2・3歩歩いたとき、松本さんはすでに私のすぐ目の前に立っていた。
あれだけ距離が開いていたと思ったのに。

「どうした」

久しぶりに聞いた言葉が「どうした」だったということより、久しぶりにこの人の低い声を聞いたことに、私の何か――たぶん心――が反応した。揺さぶられるほどに。
だから私は、「あ」という形に口を開けたまま、大柄な松本さんを見上げることしかできない。

声が出ない。
でも・・なんで涙が出そうになってるんだろう。
しかもそれが不安からじゃなくて・・・安堵感から。

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