純情シンデレラ
「・・は、はなして・・・」

背中が急にあったかくなった。

「嫌だ。離さない」

彼の声と彼のセリフに、私の心拍数が急激に跳ね上がった。

「どぅして・・」

私の右手は、私を抱きしめている彼の腕の方へ、自然と伸びていた。
でも・・・あぁ。もう我慢できない・・・!

こらえきれずにハックシュンとくしゃみが出た私を、松本さんが自分の方にくるりと向かせた。
そして自分の首に巻いていたマフラーを外すと、私にクルクルと巻きつける。
不器用で武骨な優しさがこの人らしい・・と思ったら、また私の目からじわりと涙が浮かんでしまった。

< 453 / 530 >

この作品をシェア

pagetop