失恋相手が恋人です
夕方のラッシュに近い時間に、駅前で抱き合っている私達は注目の的で。
しかも葵くんはビックリするくらい整った容姿で。
私はハッとして葵くんの胸を押す。
「あ、葵くん、皆見てるから、ちょっと離してほしいのだけど……」
そうっと言った私に葵くんは少し不満顔で。
「何で?」
と聞いてきた。
「何でも、は、恥ずかしいのっ」
少し強めに抗議すると、眉間に皺を寄せながら渋々腕を解いてくれた。
ただ、しっかりと自分の右手を私の左手に指を絡めて。
そして、今気づいたとばかりに私の服装をマジマジと見つめた。
「……沙穂、足、出しすぎじゃない?」
「……近所のスーパーマーケットに行くつもりだったから、て、適当で……」
だって、まさか、葵くんに会うと思ってなかったのっと叫ぶ私の心の声。
相変わらず何もかもカッコいい葵くんに指摘されると居たたまれなくなる。
どうして葵くんに会うときの私はいつも散々な格好なんだろう。
普段からそんなに手を抜いているわけではないのだけど……。
でも、誰にも知り合いには会わないと思っていたし、近所だし、萌恵に会ってた時は着替えてたし……。
言い訳したいことがたくさんある。
「適当とかは別にいいんだけど……。
そんなに足を他人に見せなくても……」
ブツブツ言いながら顔をしかめている葵くん。
足?
気にしているのは足だけ?
可笑しくなってクスッと笑うと、葵くんがムッとした顔をする。
「……何?」
「……ご、ごめん、だって私の足なんて誰も見ていないのに」
「……少なくとも俺は見てる。
沙穂は沙穂が思う以上に見られているよ」
少し苛立たし気に、フィッと私から視線を外して葵くんは看板が見えている、スーパーマーケットに向かって無言で歩き出した。
「葵くん、一緒に行ってくれるの?」
いきなりの不機嫌な葵くんに、おずおず話しかける私に。
「勿論」
と、機嫌が直ったのかいつもの笑顔を見せてくれた。
その笑顔に安心する私。
こんな風に温かい笑顔を間近で見ることが出来るなんて。
そんな日が来るなんて。
一方的にあの階段教室にいる葵くんを見ていた頃は、こんな日が来るなんて思わなかった。
こんな笑顔を私のためだけに向けてくれる日が来るなんて。
しかも葵くんはビックリするくらい整った容姿で。
私はハッとして葵くんの胸を押す。
「あ、葵くん、皆見てるから、ちょっと離してほしいのだけど……」
そうっと言った私に葵くんは少し不満顔で。
「何で?」
と聞いてきた。
「何でも、は、恥ずかしいのっ」
少し強めに抗議すると、眉間に皺を寄せながら渋々腕を解いてくれた。
ただ、しっかりと自分の右手を私の左手に指を絡めて。
そして、今気づいたとばかりに私の服装をマジマジと見つめた。
「……沙穂、足、出しすぎじゃない?」
「……近所のスーパーマーケットに行くつもりだったから、て、適当で……」
だって、まさか、葵くんに会うと思ってなかったのっと叫ぶ私の心の声。
相変わらず何もかもカッコいい葵くんに指摘されると居たたまれなくなる。
どうして葵くんに会うときの私はいつも散々な格好なんだろう。
普段からそんなに手を抜いているわけではないのだけど……。
でも、誰にも知り合いには会わないと思っていたし、近所だし、萌恵に会ってた時は着替えてたし……。
言い訳したいことがたくさんある。
「適当とかは別にいいんだけど……。
そんなに足を他人に見せなくても……」
ブツブツ言いながら顔をしかめている葵くん。
足?
気にしているのは足だけ?
可笑しくなってクスッと笑うと、葵くんがムッとした顔をする。
「……何?」
「……ご、ごめん、だって私の足なんて誰も見ていないのに」
「……少なくとも俺は見てる。
沙穂は沙穂が思う以上に見られているよ」
少し苛立たし気に、フィッと私から視線を外して葵くんは看板が見えている、スーパーマーケットに向かって無言で歩き出した。
「葵くん、一緒に行ってくれるの?」
いきなりの不機嫌な葵くんに、おずおず話しかける私に。
「勿論」
と、機嫌が直ったのかいつもの笑顔を見せてくれた。
その笑顔に安心する私。
こんな風に温かい笑顔を間近で見ることが出来るなんて。
そんな日が来るなんて。
一方的にあの階段教室にいる葵くんを見ていた頃は、こんな日が来るなんて思わなかった。
こんな笑顔を私のためだけに向けてくれる日が来るなんて。