失恋相手が恋人です
一旦話を区切って歩美先輩は、深呼吸した。
「葵くんと私は付き合ったことはないし、少なくとも私は葵くんにそういう恋愛感情を抱いたことはないの。
今までもこれからも」
キッパリ言い切る歩美先輩の目は嘘をついているようには見えなかった。
「……ただ、高校生の時に葵くんに告白されたことはあるの」
言いにくそうに私の顔を見て、歩美先輩は続けた。
「葵くんはあの外見だし、頭も性格も良かったから、当時から彼を好きな女子はたくさんいたの。
だからってわけではないけれど、勿論、告白してくれたことは嬉しかった。
……だけど、私にはずっと好きな人がいたの」
「東堂先輩、ですか?」
尋ねる萌恵に先輩は頷く。
「そう、ずっと片思いしていたの。
正樹は葵くんほどではないけれどモテていたし、私はいつも自信がなくて」
……信じられなかった。
私が知っている歩美先輩はいつも天真爛漫で華やかで。
私が持っていないものをたくさん持っている憧れの女性だったから。
自信のない、片思いを東堂先輩にしていたなんて……。
「葵くんは、私が告白を断った時に、正樹とうまくいくように応援してくれるって言ってくれたの。
……それでかな、葵くんにはそれからもずっと助けてもらうことか多くて。
……あの日も、葵くんに会って昔みたいに優しい言葉をかけてもらって気持ちが揺らいじゃったのよね、ヤケっぱちじゃないけれど……思わず甘えようとしちゃったの、ズルいわよね、私」
私は無言で首を横に振る。
……片思いの辛さも、離れる辛さもわかるから。
私がどうこう言える立場じゃないから。
「……でも葵くん、私の話を聞いて、落ち着かせてはくれたけれど。
何て言うのかしら、下心があるとかそういう疚しさは全くなくてね、ただ、私の肩をポンポンって小さい子をあやすみたいにしてくれていたのよ。
それから、正樹に連絡をとってくれて。
正樹が迎えに来てくれるまで一緒にいてくれたの。
……担当教授と話があったみたいだったのに迷惑をかけちゃったのだけど……」
……葵くんが私に連絡をくれたのはその後だったんだ……。
「葵くんと私は付き合ったことはないし、少なくとも私は葵くんにそういう恋愛感情を抱いたことはないの。
今までもこれからも」
キッパリ言い切る歩美先輩の目は嘘をついているようには見えなかった。
「……ただ、高校生の時に葵くんに告白されたことはあるの」
言いにくそうに私の顔を見て、歩美先輩は続けた。
「葵くんはあの外見だし、頭も性格も良かったから、当時から彼を好きな女子はたくさんいたの。
だからってわけではないけれど、勿論、告白してくれたことは嬉しかった。
……だけど、私にはずっと好きな人がいたの」
「東堂先輩、ですか?」
尋ねる萌恵に先輩は頷く。
「そう、ずっと片思いしていたの。
正樹は葵くんほどではないけれどモテていたし、私はいつも自信がなくて」
……信じられなかった。
私が知っている歩美先輩はいつも天真爛漫で華やかで。
私が持っていないものをたくさん持っている憧れの女性だったから。
自信のない、片思いを東堂先輩にしていたなんて……。
「葵くんは、私が告白を断った時に、正樹とうまくいくように応援してくれるって言ってくれたの。
……それでかな、葵くんにはそれからもずっと助けてもらうことか多くて。
……あの日も、葵くんに会って昔みたいに優しい言葉をかけてもらって気持ちが揺らいじゃったのよね、ヤケっぱちじゃないけれど……思わず甘えようとしちゃったの、ズルいわよね、私」
私は無言で首を横に振る。
……片思いの辛さも、離れる辛さもわかるから。
私がどうこう言える立場じゃないから。
「……でも葵くん、私の話を聞いて、落ち着かせてはくれたけれど。
何て言うのかしら、下心があるとかそういう疚しさは全くなくてね、ただ、私の肩をポンポンって小さい子をあやすみたいにしてくれていたのよ。
それから、正樹に連絡をとってくれて。
正樹が迎えに来てくれるまで一緒にいてくれたの。
……担当教授と話があったみたいだったのに迷惑をかけちゃったのだけど……」
……葵くんが私に連絡をくれたのはその後だったんだ……。