失恋相手が恋人です
「……本当にごめんなさい。
私があの日あんな風に葵くんを頼ったりしなければ……」
項垂れて謝る歩美先輩に、私は慌てて首を振った。
「……違うんです!
……先輩は悪くないんです」
私は顔を上げて、失恋恋人を始めたことを話した。
最初は恋人のふり、だったこと。
それからきちんと付き合うようになったこと。
本当のことを告げて、別れることになったこと。
これまでの経緯を話した。
……私はずっとずっと最初から葵くんが好きだったことも。
「……だから、違うんです。
元々、私が歩美先輩を利用したんです。
……謝らなきゃいけないのは私です。
本当にすみませんでした」
そう言って私は歩美先輩に頭を下げた。
すると先輩は私の手を取って笑ってくれた。
「謝らないで。
沙穂ちゃんは何も悪くないわ。
……もし私が沙穂ちゃんの立場だったら、どんな風にしても好きな人に近付きたいと思うもの……。
葵くんを傷付けたくてしたわけでもないし、失うことが怖くなって言い出せなかった気持ちもわかるわ……」
先輩はとても優しい大人の女の人の目で私を見つめる。
「……後悔しているんです。
そんな始め方で付き合ったこと。
だけど、付き合っていた時は、その時間は今までの私の人生の中で一番大切な宝物です」
話しているうちに感情が昂って、涙が込み上げてきた。
こんな風に泣くつもりはないのに。
もう葵くんとの思い出のことで泣きたくないのに。
必死で蓋をして押し込めた想いなのに。
……騙して、結果、一方的に別れを告げた私が泣く資格なんてないのに……。
私があの日あんな風に葵くんを頼ったりしなければ……」
項垂れて謝る歩美先輩に、私は慌てて首を振った。
「……違うんです!
……先輩は悪くないんです」
私は顔を上げて、失恋恋人を始めたことを話した。
最初は恋人のふり、だったこと。
それからきちんと付き合うようになったこと。
本当のことを告げて、別れることになったこと。
これまでの経緯を話した。
……私はずっとずっと最初から葵くんが好きだったことも。
「……だから、違うんです。
元々、私が歩美先輩を利用したんです。
……謝らなきゃいけないのは私です。
本当にすみませんでした」
そう言って私は歩美先輩に頭を下げた。
すると先輩は私の手を取って笑ってくれた。
「謝らないで。
沙穂ちゃんは何も悪くないわ。
……もし私が沙穂ちゃんの立場だったら、どんな風にしても好きな人に近付きたいと思うもの……。
葵くんを傷付けたくてしたわけでもないし、失うことが怖くなって言い出せなかった気持ちもわかるわ……」
先輩はとても優しい大人の女の人の目で私を見つめる。
「……後悔しているんです。
そんな始め方で付き合ったこと。
だけど、付き合っていた時は、その時間は今までの私の人生の中で一番大切な宝物です」
話しているうちに感情が昂って、涙が込み上げてきた。
こんな風に泣くつもりはないのに。
もう葵くんとの思い出のことで泣きたくないのに。
必死で蓋をして押し込めた想いなのに。
……騙して、結果、一方的に別れを告げた私が泣く資格なんてないのに……。