爆走姉貴ー星路の苦悩ー
呼び掛けられたその声に、浮かせかけた腰が止まった…。



「せっかく来たんだからぁ〜、リンと話しようよ?」



話……何を話すと言うんだ!





俺は、ゆっくりと顔を上げた。

震える身体を押さえ……。




そして視線の先には…雅治と拓也の間に座り、笑う女…。






「初・め・ま・し・て!星路くん」

「――――――っ!!!」





やっぱりだぁぁっ!





そこには、白いホルターネックのミニドレスに身を包み、不敵に笑う……。




美月だあぁぁ――!!







「あれ?俺、星路の名前教えた?」
「やだぁ!テツちゃん言ったよ〜?」



まだ言ってないよっ!





美月だ…。
何で……どうして……。



何で美月がここにいるんだよぉっ!!

しかもリンちゃんかよっ!





「星路くん?とりあえず座ってよ」


美月の視線。

(いいから座れよ)

そう言っている…。





カクカク震え始めた膝を折り、俺は再びソファへと腰を下ろす。


マジかよ……。




「星路、どうした?」
「…別に」
「耳からポッキー出てるけど?」
「…問題無い」
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