ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…
憂臣に決して腕を回さない私。
それでも気がすんだのか、憂臣は体を離して 帰ろうと言った。
カバンを手にして二人で学校を出た。
門を出ると 憂臣が送ると言ったが家は逆方向。
「 いいよ、反対だし私は大丈夫 」
「 大丈夫とかじゃなくて… 一緒にさ 」
「 …ねぇ どうして、ヤンキーなんかに?」
「 なに突然… まぁ、いいや、話すから送らせてよ 」
「 途中までね 」
憂臣の過去に興味はない。
ただ、このままでは帰らないだろうと思い話を振っただけのこと。
「 俺、中2でちょっと横道にズレたんだ。元々 横着者だったけどな… 」
「 理由は?」
「 理由かぁ… まぁ あれだな、思春期で親とケンカばっかで、たまたまイラついてケンカした相手を怪我させて… それからは酷かったな~ 」
もう、終わった事のように話すんだ…
そんなに簡単に過去の思い出話になるんだ…