【完】『傷跡』
メインの肉が出た。
リマと多聞はちょっとした言葉を交わしながら口へと切って運び、
「こちら、デザートでございます」
とデザートの皿が来た。
すると。
多聞は急に立ち上がって、胸のポケットから紺色の小箱を出してリマの前に開けて差し出し、
「こんなんやけど…マリー、ミー?」
とリマの前に膝まづいた。
少しリマは驚いた顔をしたが、
「…ありがと」
リマの中に嬉しさが込み上げてきたらしく、
「…こんな私でよければ」
と返事をする頃には、目にいっぱいの涙をためている。
多聞はようやく安堵したようで、
「これで断られたらどないしょうか思ったがな」
と照れ隠しのように頭をかいて、席に戻った。