ひとつの輝き

「こーんな所で誘ってんの?」 

フッと笑う声とともに後ろのドアが開いて、あたしは振り返った。 

2年の先輩の一人が覗き込んできた。 


その先に見えるのは残りの先輩達の凄い目線。 


げっ…こわっ! 

またこの人達にも何か言われる…

そう思ったあたしは頭を下げて目を瞑った。 


「1年ちゃんは教室に戻んな!女とヤるんじゃなくて俺らと喧嘩やる?」


その先輩はうっすら笑っていた。 

チッと舌打ちし、1年の男達はすぐにこの場を去った。 


あたしが考えていた言葉とは全然違うかった。 

一緒に絡まれるのかと思ったよ…。 

なんか心の騒ぎが一瞬にして静まりかえった。



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