ひとつの輝き
「大丈夫?」
あたしはパッと顔をあげ「有難うございます」と軽く頭をさげる。
「んー…俺じゃねーよ」
「は?」
俺じゃないとはどう言う意味だろうか…
あたしは首を傾げた。
ってか、そんな事より、早くここを抜け出したいと言う気持ちのほうが大きかった。
「助けろって言ったのはアイツ」
隙間から先輩が指差す方向をみたら一番端にいる人。
「あー…」
思わずあたしは声を漏らした。
タバコの煙を吐きながら携帯をいじる先輩。
その中でも一番、怖そうといったほうがいいんだろうか…。
他の人は金髪、茶髪が当り前なのに、その人だけ黒髪にメッシュが入り、余計にそれが怖くみせつけている。あの人が集団の頭なのか?
どうしようか…
これは、ちゃんとお礼を言っとくべきか?
うん言っとこう。
後で何か言われたら、またやっかいな事になりそうだし。
あたしは軽く息を吐き、恐る恐る、その人の前にたった。