ひとつの輝き

「さっきは、どうも有難うございました」 


こんなかた苦しい礼の仕方なんて言ったのも初めて。 

あたしは、とりあえず一礼をする。 

「別に…」 

別にって… 

下に向けていた顔を少しあげた瞬間、地べたに座る先輩と目があった。 

げっ…凄いこわっ。 

だけど真正面から見た顔は凄く端整だった。 

その先輩は首を傾げてジロジロあたしを見る。 


えっ、何ですか? 



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