ひとつの輝き

その一言で、あたしと先輩は学校を出た。 

あーなんだろ…

こう言う歩きたくない時は本当にマンションまでが近くて良かった。 


あまりいい風に想わない親の事を少しだけ、ありがたいと思った。 

ほんと自分勝手。 



マンションに着いたら渉先輩はビルを見上げた。 

「つーか、まじでけーよな」 

「うーん…」 


ここに一緒に来るのは2回目。 

あの公園に来た日、以来。 

エレベーターの前に立つなり先輩は聞いてきた。

「何階?」 

「20階」 


エレベーターの扉が開き先輩は階数ボタンを見つめた。 

「ってか20までしかねーよ?お前、最上階に住んでんの?」 

先輩がボタンを押してすぐ、あたしは頷いた。 




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