悪役の私
目が覚めると、まだ左手が温かくて。
なんだか、少し嬉しい。
ゆっくりと優の方を向くと、優もまた私を見ていた。
「おはよ」
「…うん」
布団に入ったまま、上半身だけ起き上がる。
私達が起き上がることで、他のみんなも次々と目を覚ます。
「みんな朝ごはん食べる??」
「いただきます!」
金田先輩の問いかけに笑顔で答える優。
「じゃあなんか適当に用意するから待ってて」
やったー!なんて言いながら、金田先輩が用意してくれる朝ごはんを待つ。
…繋いだ手は、ご飯を食べ始める直前まで、離れることはなかった。