悪役の私
「結衣のことが好きすぎて、いいもの買ってきたんだ」
「なーにー???」
私は今日も、潤の家にいた。
潤はなんだか嬉しそうに、届いた箱を開けている。
こうして、いつも私を喜ばせようとしてくれる、私を愛してくれる潤をやっぱり裏切ることが出来なくて。
これは情だと思う。
どんなに優しくしてもらっても、どんなに罪悪感を感じても、私は潤を優先したいとは思えない。
だけど、私にはまだ潤が必要なんだと自分に言い聞かせていた。