悪役の私





「結衣のことが好きすぎて、いいもの買ってきたんだ」




「なーにー???」




私は今日も、潤の家にいた。




潤はなんだか嬉しそうに、届いた箱を開けている。



こうして、いつも私を喜ばせようとしてくれる、私を愛してくれる潤をやっぱり裏切ることが出来なくて。



これは情だと思う。



どんなに優しくしてもらっても、どんなに罪悪感を感じても、私は潤を優先したいとは思えない。




だけど、私にはまだ潤が必要なんだと自分に言い聞かせていた。







< 94 / 181 >

この作品をシェア

pagetop