悪役の私
「じゃーーーん」
そう自慢気に見せてきたのは、
…大人のおもちゃ。
「今日はこれを使って、結衣のこといじめちゃおう」
なんだか楽しそうに開けて、説明書を見ている潤に対して、私は怒る気持ちにもならなかった。
この人が私を好きでいているということはわかってる。
セックスがしたいから私と付き合っているんだろう、とも思わない。
私を大切にしてくれている。
だけどこの先私はこの人を、嫌いになることも、好きになることも、ないだろう。
…優なら、もっと違う方法で愛情を示してくれるはずなのに。