もう一度出会えたら
そう言ってあっさりと私の左手を解放した涼くん。


少しだけ寂しいと思ってしまった気持ちを振り切るように席を立ちお手洗いに向かった。


彼は私の反応が可笑しくてからかっているだけなのかもしれない…。


何でも本気にしすぎと言われてしまったし、過去のことも怒ってはいないと言ってたけど、忘れられて面白くはなかっただろうし…。


手を洗い鏡を見ながらそんな事を考える。


バックからポーチを取り出し化粧直しをしてから、席に戻るためトイレを出たところで誰かに思いっきりぶつかってしまった。


「キャッ………すみません」


ぶつかった鼻を押さえながら顔を上げると、私を見下ろす涼くんと目があった。


えっ…なんでここに?


そう思う間も無く、腕を取られ席とは逆方向の廊下の奥に進んでいく彼。


どこに連れて行かれるのか訳が分からなくて焦ってしまう。


「な…に?どこに………」
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