もう一度出会えたら
「ハァハァ……」


少しでも空気を取り込もうと浅い呼吸を繰り返しながら


正面の彼を涙目になった目で睨んだ……のに


そんな私を彼は再び追い詰めるかのように、彼の顔が近づいてきた。


それはスローモーションのようにも見えたけれど実際には一瞬のことで


アッと思った時には抵抗する間も無くキスが落とされた。


でもさっきとは違って労わるような優しいキスで漏れた吐息の間から


彼の舌が入り込んできた。


「んっ…」


逃げたいのに逃げたくない……矛盾した気持ち。


抵抗の力もさっきとは違って力が弱くなっていく……


膝の間に彼の膝が割って入り壁に縫い付けられる。


『僕からもう逃げて行かないで…』


わずかに浮かした唇の間から聞こえた彼の言葉….至近距離で交わる2人の視線。


彼の顔が近づき、唇が重なった。





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