もう一度出会えたら
毎日が幸せに過ぎていく…だけどそれに比例していく様に幸せすぎて怖い…


そんな気持ちが日に日に大きくなっていくのも確かだった。


彼は間違いなく独身だし私だけを見てくれているというのも彼の態度や言葉


から感じる事が出来るのに…何でこんなにも不安な気持ちになるんだろう。


彼はあの人とは違うんだから……そう自分に言い聞かしながら彼との付き合


いが始まってから半月が経った。毎日会えていたのがここ5日間はお互いの


仕事が忙しく会えていない…だから不安になっているのかもしれない。


そう思いながら、今日も定時をかなり過ぎた遅い時間の改札口を抜けいつも


のホームに向かった。


いつもは人で溢れているこの駅も、この時間になるとラッシュ時ほどの人の


混雑はない。ホームに降りる階段に差し掛かった時、ホームから流れてくる


アナウンスが聞こえた。ちょうどタイミングよく電車が来たみたい…。


急いで階段を降りようとした時に、背後から聞こえてきた切羽詰まったよう


な女性の声に思わず振り返ってしまった。


『…待って!涼、お願い!!』


“ りょう ”なんてどこにでもいる名前なのに何故だか胸がざわついた…。
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