もう一度出会えたら
振り返る事なく、そのまま改札を抜け会社に向かって足を動かし続けた。


デスクに座ると、斜め前からこっちを心配そうにチラチラと様子を伺うように


見てくる大翔に、顔を向けあえて明るい笑顔を見せた。


『…朝比奈。何か…あった?』


「えー?何もないよー。それより、明日から待ちに待ったお休みだし今日一日頑張ろうね」


『おぉ….』


少しだけ腑に落ちない様子だったけど私も気持ちを切り替えて仕事に没頭した。


今日は電話対応も多くて、時間もあっという間に過ぎて行く。


気付いたら後少しで定時を迎える時間になっていた。


昨日までは残業が続いていたけど今日は定時で帰れそうだ。


社内全体が明日からの長い休暇を前に皆んながソワソワしている…そんな空気


だった。大翔ももうデスク周りを片付けている。私も急いで片付けを始めた。


帰りのエレベーターでまた大翔と一緒になったので自然に駅まで一緒に歩く。


『はぁ、やっと休みだな。俺は明日の飛行機で福岡に飛ぶ予定。朝比奈はいつから帰んの?』


「私も明日の新幹線で帰るよ。ギリギリ指定も取れたけど今回は窓際じゃ無いんだよね…。まぁ席が確保できただけでもマシなんだけどさ。通路に立ちっぱなしとか絶対無理だもん」
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