もう一度出会えたら
自力で立っていられなくなり彼に腰を引き寄せられ抱きしめられる。


「菜々、愛してるよ」


キスの合間に囁かれた言葉で幸せの絶頂に立ったその直後に、私は奈落の底へと突き落とされた……


“ピンポーン”


突然鳴り響いたドアベルの音。


絡まり合う私たちのすぐ側、扉の向こうに感じる人の気配に彼の顔を見上げると、彼は人差し指を唇に当てた。


誰だか分からないけれど居留守を使うつもりらしい…。


モニターに映る姿を確認する事もなく、また唇を塞がれた。


彼のキスによって、ドアの外への意識が薄れかけた時


『ママ〜、パパいないのかなぁ?』


ドアの向こうから聞こえてきた小さな男の子の声……


パパ…?


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