仮に君と恋をしたなら
「飲めばいいのに…あはははは、はははは!!」
「笑いやがって〜!事態は深刻だぞ、コノヤロー!」
「あはははは!!いひひひ…」
真山が変な葛藤をしている事が妙にツボってしまい、中々抜け出せなかった。
「ほらほら、炭酸が抜けていっちゃうよ?」
「くそ〜!ちょっとお前、向こう向いてろ!」
真山が私の顔を反対方向に押し退けた。私が見ていない間に飲む気らしい。
「フッ。もういいぞ」
私は振り返った。真山は勝ち誇った顔で当たり前だったことを言う。
「もう飲める!サイダー飲めたぞ!もう、これで俺は変じゃねぇ!見ろ!」
いや、変だよ。テンションが。
「ん」
「何?」
「次は山田の番。飲み干して良いぞ」
真山は飲んで見せた後の残りのサイダーを私に寄越した。
飲めないわけがない。
「…」
あれ?
「どうした山田?いつものことだろ?」
真山が可笑しなことを言って変な空気を作った所為で、すんなり飲めなくなってる…。
「視線が気になって飲めないの!向こう向いててよ」
「何で?山田は間接キスとか気にならないんだろ?」
「〜!!」
私は目を瞑って一気に飲み干した。