不器用な彼氏
ふと、無色透明な湯の中で、自らのボディを改めて確認し、今更ながら、もっと早めにダイエットすべきだったと反省。

決してスタイル抜群ではない私。

良いのか悪いのか、若干童顔寄りの顔が、女性の持つ色気を遠ざけてしまい、こういった場面ではマイナスポイントになってしまう。

唯一、20代のはじけるような肌ではないけれど、少しふっくらとした体形だからか、滑るようなもち肌だけは自慢できる。

湯船の中で摘まめるお腹は、見なかったことにしょう。

『女は度胸よ…』

つぶやいて、気合を入れた。

初めて体験した時だって、こんなに緊張しただろうか?と、今更ながらに思うほどに、緊張していた。
少なくとも、2時間ほど前に、ここに入った時とは、気持ちの部分で大きく違ってる。

今はもう、全く迷いは無いだけに、緊張と共に、何とも言えない幸福感も感じていた。

のぼせない程度に、湯殿を出て、脱衣所に向かうと、脱いだ浴衣は返却用のボックスに入れて、全く新しい浴衣に袖を通す。

髪を乾かし、乾燥した顔には、化粧水だけをシュッと吹きかけるだけで、何もしない。
最も、普段からあまり化粧をしないのだから、化粧してもしなくて代り映えはしないけれど…。

『良し!』

鏡の前で、もう一度大きく深呼吸すると、脱衣所を出て、真っすぐ海成の待つ部屋へと、向かった。
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