不器用な彼氏
部屋の扉を開け、中に入ってドキリとする。
さっきの飛び出す前の状態とは打って変わって、部屋は薄暗く主要な照明は落とされ、ほとんど足元を照らすだけの間接照明だけの状態になっていた。
もう午前0時を過ぎていて、辺りは皆、寝静まる頃。
煌々と明かりが付いているよりも、この方がホッとする。
板張りを素足で上がると、先程と同じように、タオルをタオル掛にかけ、リビングの方へ向かう。
ところが、和紙で包まれた、間接照明が淡い灯りを灯しているだけのリビングにも、縦繁障子から3段下がった場所に広がる寝室にも、いるはずの海成の姿が、見当たらない。
『海成?』
声に出してみると、コンコンとガラスをたたく音。
視線をそちらに向けると、夕方一人で出てみた、バルコニーの向こう側に、海成の姿が見えた。
寝室に向かう途中にある、バルコニーに出る扉を開け、自分も外に出る。
開けた途端に香る、潮の香り。
『ここにいたんだ』
『ああ』
見ると、バルコニーの柵にもたれて、ビールを片手に、夜の海を眺めているようだった。
黙って隣に立ち、同じように海を眺める。
海からの夜風が、湯から出たばかりの、少し火照った身体に、気持ちいい。
『飲むか?』
『ううん、止めとく。酔っちゃうと眠くなりそうだし……あ』
言ってから、これから自分達に起こる行為を示唆するような物言いをした自分が、急に恥ずかしくなり、赤面してしまうと、隣で『アホか』と、笑われる。
さっきの飛び出す前の状態とは打って変わって、部屋は薄暗く主要な照明は落とされ、ほとんど足元を照らすだけの間接照明だけの状態になっていた。
もう午前0時を過ぎていて、辺りは皆、寝静まる頃。
煌々と明かりが付いているよりも、この方がホッとする。
板張りを素足で上がると、先程と同じように、タオルをタオル掛にかけ、リビングの方へ向かう。
ところが、和紙で包まれた、間接照明が淡い灯りを灯しているだけのリビングにも、縦繁障子から3段下がった場所に広がる寝室にも、いるはずの海成の姿が、見当たらない。
『海成?』
声に出してみると、コンコンとガラスをたたく音。
視線をそちらに向けると、夕方一人で出てみた、バルコニーの向こう側に、海成の姿が見えた。
寝室に向かう途中にある、バルコニーに出る扉を開け、自分も外に出る。
開けた途端に香る、潮の香り。
『ここにいたんだ』
『ああ』
見ると、バルコニーの柵にもたれて、ビールを片手に、夜の海を眺めているようだった。
黙って隣に立ち、同じように海を眺める。
海からの夜風が、湯から出たばかりの、少し火照った身体に、気持ちいい。
『飲むか?』
『ううん、止めとく。酔っちゃうと眠くなりそうだし……あ』
言ってから、これから自分達に起こる行為を示唆するような物言いをした自分が、急に恥ずかしくなり、赤面してしまうと、隣で『アホか』と、笑われる。