浅葱色の妖
藤堂さんは私の後ろから付いてくる。
土方さんは廊下の途中にある部屋の襖を開けた。
「え?土方さん、そこは土方さんの部屋でしょう?」
藤堂さんが後ろから言う。
「この泥だらけの格好のまま居させるわけにはいかねぇだろーが」
「ああ、そうか」
私は言われて自分の服を見た。
足元はもちろん、至る所が泥だらけだった。
腕の部分は木に引っ掛けたのか少し破れている。
悲惨な格好だ。
そんなことに気が付いてくれるなんてやっぱりいい人か。