浅葱色の妖

「こんな汚ねぇ格好で屯所をうろつかれたら屯所が泥だらけになんだろ」



「な…」



なんですってー!



前言撤回します、この人全然いい人じゃない!



言いかたってものがあるでしょ!



「おいお前、俺のことを睨みすぎじゃないか?二度目だぞ」



「別に睨んでなんかいませんけど」



彼は少しも笑わない。



なんだこいつ…。



「それなら僕は先に行ってますね。この子の文も用意してもらうように言わないといけないし」



藤堂さんは足早に歩いていった。
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