浅葱色の妖
「こう言ってるじゃないか!俺の前に現れた女の子を吉原に送るなんて俺にはできないぞトシ」
豪快そうな男は真っ直ぐに土方さんを見つめる。
「…何でもするんだな?」
「はい!」
土方さんは訝しげに見てきたけど、私は即答する。
「仕方ねぇ、こんな風に雇うなんて今回限りだぜ、近藤さんよぉ」
土方さんは近藤さんと呼ばれた豪快そうな男を睨んだ。
「わかったわかった。ということで、よろしくな。俺は近藤勇だ」
近藤さんは私の方に歩み寄ってきて、握手を求めるように手を差し出した。
私はそれに答えて握手をした。