浅葱色の妖

「だからってなぁ…」



土方さんはため息をひとつついた。




「家がない?こんなか弱い女の子を野放しにして置いたらどうなるかわからないじゃないか」



豪快そうな男は呟く。




「ここに置いとく意味もねぇだろ」




「じゃあ吉原に送るとでも言うのか?」




「いや…」



その言葉に土方さんは言葉を詰まらせる。




「お願いします、何でもします!」



もう一押し。



そう思って口を開いた。
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