副社長は甘くて強引
「そうか。それなら月末にデートしよう。場所は東京プリマホテルのスイートルームだ」
ついさっきまで不機嫌だった彼の顔に笑みが浮かぶ。けれど私の気持ちは複雑だ。
「月末って販売成績の結果が出る日ですね」
もし、販売成績が最下位だったらどうしよう……。
不安が大きく膨らむ。
でも彼のおかげで元気はチャージできた。これからの販売成績は私の努力次第だ。
自分を励まし、気合いを入れる。
「ああそうだ。京香の販売成績が伸びていたら、ご褒美に今日の続きをしよう」
「あ……はい」
彼が言う『この先』とは、キスから先の行為のこと。東京プリマホテルの豪華なスイートルームで素肌をさらして抱き合う自分たちの姿を想像してしまい、頬が熱くなる。
「販売成績が最下位だったら罰として今日の続きをする」
いったい、どんなことが待ち受けているのかと思ったら……。
「結局、さっきの続きをするんじゃないですかっ!」
ヤル気満々の彼にツッコまずにはいられない。
「あたり前だろ。思いきりかわいがってやるから覚悟しておくように。いいね?」
「……」
今日以上のことをされたら、自分がどうなってしまうのかわからない。不安を抱えて黙り込む私に、彼の顔が迫る。
「返事は?」
こんな状態でNOとは言えない。
「……はい」
「ん。素直でよろしい」
私の返事を聞いた彼が白い歯を見せて微笑む。少年のようなその笑顔につられるように、私の口もとも自然に緩んだ。