副社長は甘くて強引
「京香ちゃん、今日はとてもかわいいね」
今日のパーティーのために買ったドレスを着た私を、お兄さんが褒めてくれる。
陽斗と一緒に選んだのは、膝丈Aラインの赤いドレス。首もとに散りばめられたビジューが華やかで、とても気に入っている。
「今日〝は〟ですか?」
「あ、ゴメン。今日〝も〟だね」
お兄さんは笑いつつも『も』を強調して言い直してくれる。
「ありがとうございます」
陽斗と似た声で褒められるのは、少し照れくさい。
オシャレした姿を陽斗にも見てもらいたかったな……。
今日は土曜日。陽斗はバイトだ。会えない寂しさを感じつつ足を進めていると、誕生日パーティー会場である東京プリマホテルに到着する。
美しく光る大理石の床に、ロビーにあしらわれた豪華なバラのアレンジメント。東京プリマホテルのきらびやかなロビーを進むとパーティー会場がある三階へ向かい、受付を済ませる。
今の時刻は午後四時四十分。パーティーが始まるまであと二十分もある。
「京香ちゃん、座ろうか」
「はい」
お兄さんとフロアのソファに腰を下ろす。
「京香ちゃん、ハートジュエリーって知っている?」
「はい、もちろん」
唐突な話題に戸惑いつつも、返事をする。