副社長は甘くて強引
ハートジュエリーは、東京の銀座に店をかまえる高級ジュエリーショップの名前。そこのオリジナル商品であるフォーエバーハートシリーズはとても有名で、私の憧れでもある。
ハートをかたどったワンポイントの宝石がキュートで、指輪はもちろんネックレスやブレスレット、ピアスにイヤリングとラインナップも充実している。
いつかフォーエバーハートシリーズを身に着けたい。密かにそう思っている。
「直哉はハートジュエリーの御曹司なんだ」
「えっ! そうなんですか!」
ハートジュエリーの御曹司である樋口さんとお兄さんが友人だとは驚きだ。つい、大きな声をあげてしまう。
「今日は直哉の誕生日を祝うパーティーなんだけど、副社長に就任した直哉のお披露目も兼ねているんだ」
こんな高級ホテルで誕生日パーティーを開くなんて、樋口さんっていったいどんな家柄の人なんだろうと思っていた。でも、そういうことなら納得だ。
「へえ、そうだったんですか」
「うん」
副社長とか就任とか、女子大生である私にはいまいちピンとこない。
私が気になることは、やっぱり料理。いろいろな料理をたくさん食べるために、今日はお昼を抜いてきた。
「どんなお料理が並ぶんでしょうね」
「アハハハ……。京香ちゃんの関心はそこか」
「はい」