御曹司と愛されふたり暮らし
「……ハルくん、私からチョコもらったらうれしい?」

「めちゃくちゃうれしい」

「高級なチョコじゃなくて、オシャレなチョコでもなくて、ついでに経験不足な手作りチョコでも?」

「花菜の手作りチョコなんてもらえたら、うれしくてどうにかなっちまいそうだな」


キュンと、胸が締めつけられる。
そんなふうに言ってもらえて、すごくうれしい。

本当に、本当に私がチョコを渡したら喜んでくれる?

私が大好きなあなたの笑顔を……いっぱい見せてくれる?


そう思ったら、自分の気持ちを抑えることができなくて……


「わ、私ね、今、バレンタインチョコの試作してたの」

と、口にしてしまった。


「え、マジで? こんな夜中に?」

「ハルくんにバレない方がいいかなと思って……。今月留守にすることが多いのならその時に作れば良かったのかもしれないけど……」

「ハハ、確かに。それにしても、すげーうれしいよ」

そう言って彼は、いつものやさしい笑みを浮かべてくれた。


その笑顔だけで、胸が苦しくなるほどうれしいよ。


その笑顔を向ける相手は、どうか私だけでいてほしい……なんて、ワガママかな……。



「わ、私、おいしいチョコを渡せるように、当日までに試作とかがんばるね」

「サンキュ。うれしいよ。でも、今日はもう寝な」

「うん」

その後すぐに、私はハルくんと一緒にキッチンを後にし、寝室へ向かった(今日は添い寝ではなく、それぞれの部屋で!)


……バレンタインって、今まで自分には無縁のイベントだと思っていたけど、誰かのことを思ってなにかを作ったりすることが、こんなにうれしくて、胸がキュンとして、ワクワクして……そしてドキドキするなんて、知らなかったな。バレンタインに限らず、今までそういうことしたことが全然なかったから……。


どうか、ハッピーバレンタインになりますように。

そのために、試作ももっとがんばろう。
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