御曹司と愛されふたり暮らし
「カナちゃん、家どこ?」

「えっと……」

マンションの場所は知られない方がいいかな……。ハルくんと同居していることは基本的に誰にも言っていないし、マンションの前でハルくんと鉢合わせたら誤解されてしまいそうだし……。

でも、上手く誤魔化そうとしても、家までついてこられてしまいそうな雰囲気だ。どうしたものか。


そうだ。

「私の家は……」

私は、前に住んでいたアパートの場所を伝え、そこの最寄駅で降りた。
あのアパートには、今はほかの人が住んでいるはずだけど、部屋の中まで入ってくるわけじゃないし、アパートの前まで行けば彼も納得して帰ってくれるだろう。


そう思って、アパートの前まで送ってもらったんだけど……。



「送ってくださってありがとうございました」

そう言って、彼に頭を下げると……。



「は?」

と、言われてしまって……。




「え、と……?」

「ありがとうございましたじゃねぇだろ」

え、え? どういうこと?
それに、口調がなんだか、さっきまでと全然違って……。

私がもう一度聞き返すと、


「部屋の中まで上げろよ」

と言ってきた……。
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